ここ一週間ばかり、久しぶりにコンタクトのある知人だったり、普段から会っている友人だったり、様々な人から連絡を受けていた。しかも、みんなから同じことを聞かれる。
それが、こちら。
“リーバイス®×ジョーダン ブランドの国内発売日が決定”
知っている方もいらっしゃると思うのだけれども、自分もかつて (と言っても 5 年以上も前のハナシになるのだけれども) 関係者だったことがあるので、要は「確実に手に入る方法は無い?」という質問を頂いていたわけで。
まぁ、いくら “中の人” とはいえ、このテのレアな逸品は、まずもって手に入れるなんて無理なのだけれどもね。自分が身を置いていた当時、やっぱり、こんなコラボアイテムが出たことがあるのだけれども、この時も、せいぜい現物を間近に拝むことが出来たくらい。それくらい人気なのです。
“リーバイス®とナイキがコラボレーションした高性能デニム、『511 SKATEBOARDING COLLECTION (511 スケートボーディング コレクション) 』 日本初上陸!!”
ましてや今回は Jordan ブランドとのコラボなので、壮絶な争奪戦が繰り広げられるんだろうなぁ、と思っていたのだけれども、公式の Facebook ページには、こんな記述が。
開店時間を通常よりも1時間早い10:00とし、皆様のご来店をお待ちしております。なお、当日のご入店に関しましては、お並びいただいたお客様を優先に入店順を決める抽選をおこないます。
「え、店頭で並ばせるの? というか、コレ、大変なコトになるんじゃないの?」と、まず不安になるわけで。
さらに読むと、
【抽選に関しまして】
お並び頂いた方の入店順番を決める抽選を当日9:00よりおこないます。資格を満たした方のみ抽選が可能となります。
とか、
【お並びいただくお客様へ】
発売当日は、下記のルールを守りお並びいただきますようお願いいたします。
・お並び頂く際は当日1月20日(土) 7:00~8:30のみ可能です。それ以前のお並びは、近隣への迷惑となりますのでお控えください。
・近隣店舗、住民の方へご迷惑にならないよう、ゴミや騒音などマナーを配慮ください。
・シューズとトラッカージャケットで列は分けませんのでご了承ください。
というわけで、どうやら発売日当日の 7:00 から 8:30 の間に並んでもらって、9:00 になったら入店順を決めるための抽選を行って、10:00 になったら、その順番で入ってもらって、という流れにしたかったらしい。
でも、これ、ちょっと考えたら “かなり無理がある” ってわからなかったのかなぁ?
案の定、こういった騒ぎになってしまったわけで。
限定数139に8000人超…リーバイス×ジョーダンのコラボ、警察も出動し原宿店は一時販売中止→再開の大混乱
いくら Facebook ページに「7:00 から 8:30 の間に並んでね」って書いたところで、そんなのみんな守るわけがない。時間前からたくさんの人が並んでるし、結局最終的には 8,000 人以上。
で、結局、こういう展開に。
リーバイス×ジョーダン リーバイス原宿待機列が8000人以上でカオス状態 エンドレス割り込みで大荒れ
もう、見通しが甘すぎとしか言いようがない。
まず、店頭販売をしたら、どれだけのインパクトが起こるのか、という想像力がかなり欠けていたんじゃないかなぁと思うわけで。
少なくとも、自分のトコロの Facebook ページの投稿に対して、どれだけのリアクションが発生しているかをチェックしたりとか、自分が出したリリースが、どの媒体で、どんな感じで出ていて、それが、どれだけ SNS 上で言及されているかなんて、ちょっと調べればわかるわけだし、他にも盛り上がりやインパクトを推測する方法は色々あったはずなんだよね。それで、大体の規模くらい予想つくでしょうに。
仮に、こういったコトを調べてなかったとしても、おそらく実際に問合せもあっただろうし、そのあたりの情報をきちんと把握しているだけで、しかるべき対応くらい考えられるはず。そうすれば、ある程度後手に回ることを防げたはずだと思うのです。
でも、色々と読んでいる限り、そういった対応がほとんど出来ていないようにしか思えないのですよ。”店側は 500 人を想定していた” なんてハナシも出ているみたいだけれども、ジョーダンブランドの価値どころか、自分たちのブランドの価値まできちんと見積もれていないんじゃいかとすら思えるわけで。
いや、でも、問題はそこじゃなくて。
今どき、そもそも “店側は 500 人を想定していた” という以前に、もう “並ばせる” ということが既に時代遅れだと思うのです。昔だったら「スゴい人気だ」と見られるだろうし、行列だけで十分 “ブランド力” をアピールする材料にもなり得たと思うけれども、このご時世、店頭に長く行列を作らせている時点で “ウチは時代遅れなブランドです” というアピールをしているようにしか見えないんじゃないかなぁ、とすら思うのです。
だって「並ばせずに済ませられる技術や方法論は多々あるのに、それを使えていません」とか「転売ヤー対策がまるで出来ていません」とか「近隣のお店にも大迷惑かけちゃってます」って言ってるようなもんだよね。
案の定、ヤフオクでは、なかなかなお値段で出品されてる。
こういうことがあった後で「いやー、今回もすごく盛り上がったよねー。まさに瞬殺の売れ行きだったし、またやりたいよねー」なんてハナシで終わるということは、さすがに無いと思うのだけれども、いくらなんでも、もうちょっとスマートにやってほしかったなぁ。短い期間だったとはいえ、一時期身を置いていたところだけに、残念でしょうがない。