“選ばれる条件” の変化にみる、エージェンシーが変わるべき方向性

この前、特に programmatic media buying の領域で、U.S. では、だんだん内製化が進んでいるというハナシを書いたのだけれども、さらに関連したような形で、こんな記事を ITpro マーケティングに書いていて。

データドリブン」を求められるエージェンシー、企業のニーズに応えられるか

一言で言ってしまうと “広告主企業がエージェンシーを選ぶ時に重視する要素” を、エージェンシー自身が、あんまり理解していないんじゃなかろうか? というハナシ。
エージェンシー的には自分たちのネームバリューとか、業界内でのポジションというのが、重要な要素の一つであると考えているのに対し、当の広告主企業は、それをあんまり (というか 15% なので、“ほとんど” と言ってもいいかもしれないね) 重視していなかったりとか。あと、広告主企業が非常に気にしている「コストに対する価値」というものを、実はエージェンシー側では、あんまり考えていない、というような数字が出ていたり。

で、じゃぁ、一体何をもって “コストに対する価値を見出せている” といえるのか、という点として、最も大きいのが “自分たちできちんとデータを集めて、そのデータを元に深く業界や市場、あるいは競合について分析ができているか” というところ。

これは、冒頭でちょっと触れた programmatic media buying のハナシと一緒に考えるといいと思うのだけれども、いわゆる自動化できるところは、どんどんツール、というかテクノロジーで解決する方向に向かって、いわゆる大きな方向性や戦略を決めていくところに対して、広告主企業と、どうやって協業できるかが、エージェンシーにとって、今後のカギになってくるのではないかと思っていて。

これまで、いわゆるマーケティングのお仕事って [全部内製] → [丸投げ] → [一旦全部内製化] → [“作業” だけアウトソーシング] という流れで変化してきているようにも見えるのだけれども、今は、その “作業” の部分が、ツールやテクノロジーに代替されるようになっているわけで。

で、結局戦略立案といった面で、いかに協業できるか、という道に進まざるをえないというような感じになっているような感じになっていると思うのです。

変わらないとね。

Burger King が作った「ネット中立性の撤廃」がどういうものかを例えた動画

そういえば、U.S. で「ネット中立性の撤廃」が行われようとしているという話を、以前書いたことがあって。

モバイルシフトに沸く米国の年末商戦、「ネット中立性の撤廃」次第で2017年がピーク?

ここで、こんなことを書いている。

 さらに通信会社や携帯電話事業者などが(一定のコスト負担などを見返りにして)「特定のECサイトへのアクセスに対する通信速度を早くするサービス」(相対的に表現すれば、その競合サイトへの通信速度が遅くなる)の提供を始めるかもしれない。

しかもそのコストは、ECサイトがサービスの中に組み込む広告から捻出される可能性もある。これは実質的に、消費者の負担として転嫁されることを意味する。

と、まぁ、要は “ネット中立性が撤廃されることによって、オンライン経由でサービスを提供する事業者が、最低限求められるカスタマーエクスペリエンスを提供するために、通信事業者に対してコストを負担することが起こる。そのコストは、最終的に消費者の負担として転嫁される” ということを書きたかったのだけれども、これを、非常にわかりやすく説明している動画を、Burger King が作っていて。

それが、こちら。

もちろん、音声は全部英語で、日本語の字幕も当然無いのだけれども、この動画を眺めるだけで、上で、ボクがごちゃごちゃと書き並べていることが、一体どういうことなのかというのがわかると思うのです。

ちなみに、こういう文言が添えてある。

The BURGER KING® brand believes the Internet should be like the WHOPPER® sandwich: the same for everyone.

Burger King は、WHOPPER® もインターネットも “same for everyone”、つまりみんなに対して等しいものであるべき、と言っているのだけれども、うまく絡めているよね。

こういうのが出来るって、やっぱり、スゴいな。

FAANG について書いたハナシ

今週のコラムは、”FAANG” をキーワードにしたハナシ。

「FAANG」を知っていますか?ミレニアル世代とGen Zの生活に不可欠な存在

“FAANG” とは [F = Facebook]、[A = Amazon]、[A = Apple]、[N = Netflix]、[G = Google (Alphabet)] の頭文字を並べたモノで、U.S. の株式市場で、主要な Tech 系の銘柄。つまり投資家がよく使う略語。で、これらの株価が、どう動くかで、ある程度の景気のバロメーターになっているらしく。

ちなみに、Apple を取って “FANG” としていたり、あと、第 2 グループとして [M = Microsoft]、[A = Apple]、[N = NVIDIA]、[T = Tesla] でまとめて “MANT” と呼んでいたりするらしい。その辺は、結構色々とバリエーションがあるみたいで。

個人的には、自分が身を置いていた “M” は、第 2 グループになってたりするところが「あぁ、時代だよねぇ……」と感じていたり、今現在身を置いているところが入っていないあたりで「株価はぐんぐん上がっているけれども、まだまだなんだなぁ」というのを感じていたり、色々と複雑。

で、今回のコラムは、いわゆるミレニアル世代や、その次の世代にあたる “Generation Z” な方々が、どれだけ、この FAANG に日常的にお世話になっているか、というのを調査したデータが出てきたので、軽くご紹介してみたわけで。

ちなみに、元ネタは、こちら。

Riddle & Bloom Next Generation Census Shows It’s a FAANG, FAANG, FAANG World

まぁ、大体「やっぱりみんな Amazon 使ってる」とか「なんだかんだで Facebook が一番使われている SNS なのよね」とか、特に驚きは無い数字ばかりが並んでいたのだけれども、いわゆるミレニアルや Gen Z が、ここまで Netflix のお世話になっているというのを、あらためて数字で見ることで「だいぶ cord cutting が進んでいるんだなぁ……」というところにびっくりしたり。

しかし、日本の場合、この “FAANG” や “MANT” に相当するような企業って、何が挙げられるんだろうね。

[追記]
ちなみに、今は FANG や FAANG どころか [C = Comcast]、[A = Amazon]、[A =Avago Technologies (Broadcom)]、[F = Facebook]、[A = Apple]、[N = Netflix]、[N = Nvidia]、[G = Google (Alphabet)] で “CAAFANNG” と、もはや何と呼んでいいのやらわからない略称まで出てきてるらしいです。こんなに並んでいるのに、今自分が身を置いているところが無いというのも、ちょっと残念。

[さらに追記]
ボクがいつも見ている Statista に、こんなデータが出てた。やっぱり Netflix すごいね。
Infographic: Netflix Finishes 2017 With a Record Profit | Statista You will find more statistics at Statista

US がやろうとしている programmatic の内製化

今年一発目に書いた ITpro マーケティングのコラム。たしか連載が始まったのが 2011 年の秋だったので、もう 7 回目の年越しになるのね。

大体、年始最初に書くハナシって、その年の展望だったり、流れだったりを、軽く俯瞰するようなものが多くなるのだけれども、今年は、そういう意味では、ちょっと面白いネタが出ていたので、それを簡単にご紹介してみようとおもったわけで。

それが、こちら。

2018年のキーワードは「内製化」、多様化するリスクに広告主企業が対応を強化

これは、昨年 12 月 18 日に、ANA (エアラインじゃなくて全米広告主協会のコトね) が、広告主企業の programmatic buying に関する意識調査をまとめて発表したデータを受けて書いたもの。ANA って年に一回くらい、その時注目されている方法論やテクノロジー等に関して、会員企業に対してアンケートを取って、レポートとしてまとめているのだけれども、タイトルからして “The State of Programmatic Media Buying” となっているように、今年は programmatic buying だったみたいで。

このレポートでは「たくさんの企業が、programmatic に広告出してるよ」というのが主な内容になるのだけれども、よく読んでみると、色々と面白い数字が見つかったりして。

例えば、”Programmatic Buying を行っているチャネル” について見ると、いわゆる Online Display や Mobile Display みたいな、いわゆる Display Ad とか、Online Video とか Mobile Video といった、動画系のような “まぁ、そうだよね” と思うようなモノに加えて “Television” とか “Print” とか “Outdoor” なんてのがあったり。

“Television” は、もう既に色々と行われているのだけれども、今回のデータでは 14% という回答が出ていたりする。もうちょっと少ないかなぁ、と思ってたら、意外と多くなっているコトにびっくり。ひょっとしたら、あと 2 年くらいで、だいぶテレビ CM の買い方も変わってくるかもしれない。

そして、Outdoor (多分 OOH のことだよね) とか、Print も、それなりに数字が出てきたなぁ、というところに、流れの速さを感じるわけで (たしか TIME とかがやってたっけ)。

あと、使ってるデータソースを見ると「色々やってんなぁ…」と、あらためて US と日本の差を痛感する。1st. Party Data として、ストアビーコンからもたらされるデータや、ロケーションデータを使ってたり。POS 使ってるところも 23% あったり。ちなみに、1st. Party であって、決して 3rd. Party じゃないからね。むしろ、3rd. Party Data としてロケーションデータ使うところは、半分以上いたりするし。

そうやって、色々なデータをガンガン使っているんだけれども、「見えないコストが掛かりすぎる」とか「どこに出てるかがわからない」といった、端的に言えば Ad Fraud や Brand Safety 的なハナシで、どんどん in-house にシフトし始めているという流れが生まれているというのがスゴいなと。おそらく、ツールやら何やらと、環境がだいぶ整っているからなんだろうけれども、それでも、これだけのデータを使った運用を in-house で回すのは、だいぶ大変だろうし。

と思って、よく見てみると、実は「専任 1 名、兼任 3 名」という体制で回しちゃってるケースが多いというのが、すごいなと。そもそも専任を置くケースって、日本だと、そんなに無いだろうし、兼任で 3 人社内に確保できるというところで、人材の層の厚さというか、多さを感じるわけで。

うーむ……、だいぶ日本と違う次元のハナシに見えてきたな。